少し間が空いてしまいましたが、ミシンで作る四角つなぎのバッグのメイキングの続きです。
前回は、縫い代込みで布をカットするさいに正確な縫い代をキープするにはどのような方法があるか、その一例をご紹介させていただきました。
今回はミシンでピーシングをして一枚のブロックに仕上げていく工程をつづります。
16枚の正方形をつないでバッグの本体を作る
キルトトークでは四角つなぎのキルトばかり作っています。
四角つなぎのブロックには、4枚のピースを接ぐフォーパッチと、9枚のピースを接ぐナインパッチがあります。
ピースの配色や並べ方を変えるだけでバリエーションが産まれますが、1ピースをさらに長方形や三角形で構成された四角形に成形し、それらをつないでまったく違うパターンに仕上げる、その基本になるのが四角つなぎなのです。
フォーパッチのバリエーション
ナインパッチのバリエーション
チェーンピーシングはこんなテクニック
さて今回作るバッグは、16枚の四角形のピースを4列4段につなぎます。
16枚を並べたところです。
縦2列に分けて、右側のピースを左側のピースに中表に重ねます。
A組、B組それぞれ右上端から下端まで続けて縫う、これがチェーンピーシングです。
チェーンピーシングが終わったところです。
こんな風につながっています。
チェーンピーシングしたパーツをつなぐ
動画にコメントを入れ忘れたのでわかりづらくて申し訳ありません。
ポイントは
- パーツ同士の接点が合う位置に待ち針を打つ。
- 縫い初めと縫い終わりは捨て布を挟む(返し縫をしないので糸がほどけて広がってしまうのを防ぐため)
- 縫い代を倒す方向に注意する。
- 縫っている間に縫い代が動くことがあるので確認する。
- 縫いずれをしないように、目打ちで押し加減に縫う。
- 横にもズレるのでこまめに修正する。
一段目と二段目をつないだところです。
縫い代は片倒しして、互いに違いにしています。
すべてのパーツをこのように縫い、倒した縫い代が突合せにならないようにします。
16枚がつながりました!
議論が続く縫い代は開くか方倒しするか問題
今回縫い代を重ねて片側に倒しましたが、これが正解というわけではありません。
海外のキルトサークルの掲示板で、2015年に問題提起された縫い代は開くか開かないかの議論がいまだ続いているのを目にしました。
わたしのスタンスは臨機応変、時と場合による、です。
パッチワークを習う際には、色の濃い方に、メインのピースが浮き出るように倒すと教わります。
その基本を踏まえたうえで、生地の厚みや強度を加味して選択しています。
縫い代を開くメリットは
- キセがかからないので正確なサイズが求められる。
- 縫い代の厚みが少ないのでキルティングしやすい。(特にハンド)
縫い代を開くデメリットは
- 生地が引っ張られるので弱くなる。
- 落としキルトの効果を得られない。
- ミシンキルティングでは布の間の糸を針先に引っ掛けてしまうことがある。
選択の基準は
- 薄い生地を使用した場合は縫い代を重ねる。
- 厚い生地を使用した場合は縫い代を開く。
- 縫い代を開いたら落としキルトはせず、縫い代を止めるデザインのキルティングをする。
- 縫い代が重なりそうな複雑なパターンの場合は向きにこだわらず、また、状況によっては開く(ペーパーファンデーションピーシングでよくあるパターン)
まとめ
二枚のピースをチェーンピーシングのテクニックでつなぎ、そのあとの組み立て方の一例、お分かりいただけたでしょうか。
次回はバッグの本体を完成させる予定です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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